2023年04月19日

今年の春のさえずりは,各地とも早くから活発

4月からスタートした聞き取り調査。4月中旬を過ぎて今年の春のさえずりの状況が見えてきました。概ね「早くから活発」と言って良さそうです。

各調査地.jpg

埼玉県秩父,山梨県富士山中湖,長野県志賀高原,北海道富良野で聞き取りをしているのですが,そのいずれにもいて,春からさえずっているヒガラの今年のさえずり状況を見てみます。

ヒガラ.jpg

赤い太線が今年のさえずり頻度ですが,例年よりも上の方にあって,春早くから活発にさえずっていることがわかります。

それ以外の各地の特徴的な種のさえずり状況を見ても,概ね,例年よりも上の方にあって,今年は春からさえずりが活発な様子がうかがえます。

各種さえずり.jpg

それ以外の種のさえずり状況は,こちらからご覧いただけます。

聞き取り調査は,毎朝早朝に,5-6名の参加者とともに実施しています。初心者の人も参加していますので,興味のある人がご参加ください。

https://www.bird-research.jp/1_katsudo/forest/index.html#live
posted by ばーりさ at 13:07| 活動報告

2023年04月18日

ウグイスの初鳴きの今年の東京の予報は4日早め

今年も実施してきたウグイスとツバメの予報。本日の更新で,今期は終了となりました。
そこで,情報件数の多い,東京周辺について,予報と実際とを比べてみました。

まずは,予報の推移から。
ウグイス予報推移.jpg

1月8日に予報を開始しましたが,最初の予報は2月27日でした。1月30日の予報では2月25日に少し早まりましたが,その後すぐに26日に戻り,最終的には,最初の予報の2月27日に戻りました。このように東京はブレのない予報になっていました。全国どこでも「ブレない予報」ができていたわけではありません。

予報のブレ.png

北の方ほど,予報がブレてしまう傾向があり,寒い地域ほど,初春時点でその年の暖かさを推測しにくいということで,致し方ないことかもしれませんが,今後の課題です。

では,予報と実際のウグイスのさえずりはどれくらいあっていたのでしょうか?
東京の例では,結構いい感じです。

tokyo2023.jpg

ピークは4日ほど早く予測してしまっていますが,そこそこいい感じで,初認のスタート(5%予報)もなかなか的確な感じです。
ほかの地域もこれほど的確かというと,そんなこともないかと思いますが,北海道の初認も落ち着く5月に入ってから検証して,来年の予報に活かしていきたいと思います。
posted by ばーりさ at 13:31| 活動報告

【みにクル】九十九里浜北部でシギ・チドリ類調査(奴賀)

4月16日、九十九里浜北部のシギ・チドリ類調査に行ってきました。およそ3年ぶりのみにクルです。

写真1参加者.jpeg
今回の参加者は、SさんとSさんの2名。

調査は、九十九里浜北部、飯岡海岸、矢指ケ浦で行いました。

写真2調査地風景.jpeg
曇りで風も弱く、観察はしやすい天候なのですが、沖の方は海霧?でよく見えません。陸側に霧が来ないように願いつつ調査を行いました。

観察できたシギ・チドリ類は以下のとおり。
ダイゼン 1
コチドリ 4
シロチドリ 14
メダイチドリ 51
チュウシャクシギ 1
イソシギ 1
キョウジョシギ 1
ミユビシギ 6
ハマシギ 2

期待していたミユビシギ、ハマシギは少なめでしたが、メダイチドリが群れで休息しており、みんなでカウントすることができました。
写真3メダイチドリ.JPG

他の鳥としては、ヒバリ、セッカがあちこちで囀っていたり、一方でまだクロガモが見られたり、港にアカエリカイツブリがいたりしました。
また、九十九里浜で初めてガビチョウを確認しました。。。

ところで、今回、Sさんの装備が面白かったので紹介したいと思います。
三脚に合体するバックパックです。
写真6.jpeg

シギチを見に行きたいけど、望遠鏡は重くて持つのが大変、とか、小型の望遠鏡、三脚でも、肩で担ぐと、肩にあざができてしまう方、いませんか?肩ではなく、このようにバックパックと一緒に背負えば、あざを作らずにすみます。両手が自由になりますし、歩いての移動も楽だそうです。デメリットとしては、バックパックの容量が少なめなことと、大型の望遠鏡だとバランス悪くなりそうな気がすることでしょうか。
ネットで調べると何種類か同様のものがありますが、これはおそらく、「Visionary- Viewpack Tripod Carrying System」という海外の製品のようです。ちなみにSさんの望遠鏡は、コーワ TSN-554 PROMINAR フローライト(直視型)です。

望遠鏡を担ぐのが大変、という方は、参考にしてみてはいかがでしょうか。
posted by ばーりさ at 09:44| みにクル報告

2023年04月16日

ヒレンジャクが多い今年の関東地方

この時期,ツミの調査で近所の雑木林をめぐっているのですが,ヒレンジャクをしばしば見かけます。自分のフィールドでこんなにレンジャクを見かけるのはこの30年で初めてのことです。
そこで,皆さんの観察状況バードリサーチの野鳥観察データベース「フィールドノート」を集計して見てみることにしました。
レンジャク.jpg

今年のヒレンジャクの記録は関東では2020年以降で突出して多く,ぼくのフィールドだけでなく,関東ではヒレンジャクの当たり年だったと言えます。ただ,ほかの地域を見てみるとそんなことはなく,近畿は多めですが,それ以外の地域だと逆に少ない状況です。どのように渡っているのか(関東ではゆっくりしていて,ほかは足早に通過する?)興味深いですね。

ちなみに,キレンジャクは今年が多いということはなく(関東では2020年以降23件しか記録なし),2020年が圧倒的に多いという結果でした。地域では北海道と中部で多くそれ以外の記録はわずかでした。

キレンジャク.jpg
posted by ばーりさ at 13:46| 活動報告

2023年04月15日

今年のウグイスの初鳴きは,早くから遅くまで続いた



4月も中旬になり,ウグイスの初認も北海道で記録されたので,今年のウグイスの初鳴きの状況をまとめてみました。
全国の記録を集計するとこんな感じ

ウグイス全国.jpg

2月中旬に多くなりはじめて,今年は早いかと思いきや,ピークは3月上旬,そして,今でも比較的多くの初鳴きが記録され続けています。

地域によって,初鳴き時期が誓うので,関東だけで見ても,
ウグイス関東.jpg
傾向は同じ感じ,関東で見ると,2020年とよく似た年と言えるかもしれません。

ツバメについては,4月末時点でまとめようと思いますが,やはり初認の開始は早かったけど,遅くまで続いている感じがしています。今渡来し始めた夏鳥たちはどうなのでしょう? 初認の早い遅いだけでなくこうしたパターンに影響する要因も明らかにしていきたいと思っていますので,初認されましたら,ぜひ季節前線ウォッチまでお知らせください。





posted by ばーりさ at 17:42| 活動報告