2017年03月29日

GPSで追跡中のオオハクチョウ,北海道十勝川に

 昨年秋に宮城県伊豆沼でオオハクチョウにGPS発信機を装着し,越冬地での移動追跡をしています。
 最近,風力発電施設の建設で水鳥への影響が問題とされることが多くなってきているので,その評価の基礎資料とするために,オオハクチョウの越冬期の行動を明らかにしようという目的です。そのハクチョウが現在,春の渡りを開始しました。



 伊豆沼から,一度,南下して,茨城県の大塚池で越冬していたのですが,岩手の花巻,青森の六ヶ所村,北海道鵡川などを経由して現在北海道の帯広の十勝川にいます。

帯広.GIF

 十勝川でねぐらをとりつつ,周囲の農地に日中は採食に行っているようです。ここでしばらく滞在したのちに,トウフツ湖などを経由してサハリンへと渡っていくと思います。GPSデータは携帯電話回線で受信しているので,サハリンに行ってしまうと,うまく町の近くに寄った時に受信できなければ,秋に日本に戻ってくるまではデータ受信ができなくなってしまうかもしれませんが,データ受信ができる限り上記ホームページで情報発信していきます。もしハクチョウの滞在地についてご存知でしたら,様子などお教えいただけるとありがたいです。


posted by ばーりさ at 10:16| 活動報告

2017年03月27日

珍鳥  vs カメラマン(奴賀)

近年、野鳥を観察する人や撮影する人の中にマナーの悪い人がいると問題になっていますが、つい最近もソデグロヅルの観察について、以下のような出来事が起きていました。千葉県野鳥の会会報「房総の鳥」No.517 2017年3月号 21ページの記事を許可を得て全文掲載します(写真は一部改変)。

IMG_7658ソデグロ.jpg
ソデグロヅル


以下、「房総の鳥」No.517 2017年3月号 21ページの記事。
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旭市の水田にソデグロヅルが飛来  齊藤敏一

 旭市北部に広がる通称「干潟八万石」の広大な水田に、3羽のソデグロヅルが飛来しました。成鳥が2羽と幼鳥が1羽で家族と思われます。最初に見つけたのは地元の写真愛好家で、11月26日だったそうです。私は飛んでいる3羽を12月2日に偶然見つけましたが、まだカメラマンは2〜3人というところでした。12月4日の日曜日は天気が良かったこともあり、数十人のカメラマンがやって来ました。細いあぜ道に車がずらりと並び、大砲のような望遠レンズを構えたカメラマンがツルの降りた田んぼを取り囲んでいました。
 ソデグロヅルは地上に降りているときは全身が白く、見た目がサギとあまり変わりがありません。そこで翼の先が黒い特徴的な姿を撮ろうと、わざと近づいて飛び立たせた人もいたそうです。そのためソデグロヅルは落ち着いて餌を取ることもできず、その日の夕方には飛び去ってしまいました。その後は香取市に移ったそうですがそこにもカメラマンが押しかけたそうで、同じことが繰り返されたことでしょう。
 昨年、旭市の飯岡漁港にコクガンが来たときも、結局カメラマンに追われてしまいました。以前旧小見川町にマナヅルが来た時や、印西市にソデグロヅルが来たときには地元の人達が協力してカメラマンから守ることに成功しましたが、こちらでは対策を立てる前にいなくなってしまい残念でした。私も写真を撮るので偉そうなことは言えませんが、今や珍鳥の一番の敵はマナーの悪いカメラマンです。

ソデグロ親子.png
右端に3羽のソデグロヅルが写っています。

(編集部注:ソデグロヅルGrus  leucogeranusは、世界に3800羽程しかいない希少種です。夏季にロシア北東部や中北部で繁殖し、冬季になると鄱陽湖やインド北部、イラン北部で越冬しますが、西アジアは政情が不安定なうえにツル類を狩猟する習慣もあるとのことです。)

 なお、2011年12月から翌年3月まで印西市に1羽が飛来し、河邉さんたちがカメラマンへの対応に奮闘しました。会報2012年2月号に河邉さんが概要を報告しているほか、2012年4月号には会長から「珍鳥出現対策マニュアル」が示されました。『BIRDER』2012年5月号で「千葉県野鳥の会による地元住民への対応と地元ルールの作成は未然にトラブルを防ぐことができた好事例だ。」と絶賛されます。

今回飛来した3羽は、2016年11月6日に北海道鶴居村に出現した群れで、降雪のため南下して旭市に飛来したことが分かっています。カメラマンが追わなければ越冬も期待できたのに残念です。その後、宮城県の蕪栗沼で3羽のソデグロヅルが観察されています。(河邉)
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掲載ここまで。


 この記事を読んで、2011年冬に印西市に飛来したソデグロヅルを見に行った時のことを思い出しました。人がたくさん来ていると聞いていたので、私は年が明けてから2月に何かの用事のついでに見に行きました。バードウォッチャ―は私一人でした。そして、写真の看板を見かけました。

ツルを囲むな.png
「ツルをはさむな。囲むな。追い立てるな。撮影不可の農道。」2012年2月撮影。

これが、『BIRDER』2012年5月号で紹介された、立入禁止区域を設けるなどのルールを設定した際の看板の一つのようです。千葉県野鳥の会が対応した具体的なルールや対策としては、大勢の人がやってくることを役場や地元住民、学校、駐在所へ説明する、撮影場所や駐車可能な場所を決める、案内看板を設置する、などです。
この対応のおかげでソデグロヅルは人に追われることなく無事に越冬できたのでしょう。

 その後、千葉県野鳥の会会報では「珍鳥出現対策マニュアル」が示されたそうですが、現在、千葉県野鳥の会ホームページでは、「千葉県野鳥の会が考える写真撮影のルール」が示されています。
http://chibawildbird.web.fc2.com/satuei2.html
ここでは、〇〇をしてはいけない、という事だけではなく、その理由も簡単に説明がされています。
珍鳥が出現した時、大勢の観察者が集まってしまうような時、
マナー違反の人を注意をする時、参考になるかと思います。

 個人的な意見ですが、マナーが悪いからといって単に注意すれば良いというものではなく、お互いの立場やその時の状況によっては、さらに事態が悪化することもあるかもしれません。注意する前に、そこがどういう場所か、マナー違反の理由をきちんと伝えられるか等、少し慎重に整理してからの方が良いかなと思います。

現地の状況によって対策は異なることもあるかと思いますが、基本は『鳥と地元の人に迷惑をかけない事』だと思います。



posted by ばーりさ at 17:00| その他

2017年03月25日

中央公園3月25日調査報告

今日は3月最後の調査です。
東京では早くも桜が咲いたとか。
ここではまだ先のようです。
それでもコブシがちらほら咲きはじめました。

鳥たちの動きもどことなく鈍いようです。
元気なのはハシブトガラスばかりです。
しきりに枝を折っては巣へ運んでいました。

一方、ハシボソガラスはもう抱卵中です。
巣から黒い尾が覗いていました。

先週巣材集めが観察されたシジュウカラ。
今朝はひっそりと茂みの中で採食中です。
中には、群れで移動する姿も観察されたました。
まだ本格的な巣造りには少し早いのかもしれません。

今シーズン個体数が多かったシロハラ。
ここにきて記録される個体数が減っています。
もう渡りが始まっているのでしょうか。
それともエネルギーの節約中で藪から出てこないのでしょうか。

170325_shirohara.jpg
(低木の陰でひっそり佇むシロハラの雄)

ジョウビタキは雄3羽と雌1羽が記録されました。
このうち雄2羽は2mほどの近さで低木にとまっていました。
特に争うことはないようです。
移動途中に立ち寄ったのかもしれません。
頭部のシルバーグレイが一際美しい個体でした。

今日で14年目が完了です。
最初2人で始めた調査も次第に参加者増えてきました。
最近では多いときには8名を超えることも。

15年目はどんな鳥や人との出会いがあるのでしょうか。
繁殖期に入りまた忙しい日々の始まりです。

参加者5名 記録種21種 記録個体数202羽
次回は4月1日午前7時からです。担当:BR平野


posted by ばーりさ at 12:11| みにクル報告(宇都宮)